Essay

ルシアの小さなお話 - 8

「星の涙」
- COMO LLORA UNA ESTRELLA -


3rd June,2002


「にっぽん丸」の世界一周のクルーズに乗船していつも感動することがあります。それは夜空の美しさです。すっかり晴れ渡った日に夜空を見上げると宝石を散りばめたように星がちらちらと瞬いています。大熊座もカシオペアもスバルも、大マゼラン星雲だって肉眼ではっきりと確認 することができます。南半球では南十字星が美しい十字を形作っています。そして、無数の小さな星が天の川となって空を静かに流れています。

 そんな美しい星を眺めながら「イグアス移住地」へ行った頃のことを思い出しました。移住地へ行った頃、私はまだ10歳でした。いくら親と一緒だからといっても電気もガスも水道もないこんなところへどうして来てしまったのだろうと、いつも夜空を見上げて泣いていました。今、船上で見る美しい夜空は、そのときは涙でにじんでいました。
「星の涙」・・・そんな昔の思い出がオーバーラップする曲です。この曲はベネズエラで作られた曲ですが、私のレパートリーのひとつとしてずっと大切にしていきたい曲です。
 ところで、曲名を直訳すると「泣いている星のように」となりますが、これを「星の涙」という日本語のタイトルにしたのは濱田滋郎先生だそうです。なんとロマンチストな方なんでしょう。



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