Essay

ルシアの小さなお話 - 11

「若者たちの喚声」
- LOMITA SAPUCAI -


25th December,2002


 日本語のタイトルはこのようにしましたが、Lomita sapucaiというグアラニ語の曲名がついているこの曲は、私の恩師、クリスティーノ・バエス・モンヘスが作曲しました。クリスティーノ・バエス・モンヘスは『パラグアイのアルパを弾く魔法の手』と呼ばれ、パラグアイのアルパの力強い伝統的奏法を守り続けた正統派を代表する奏者でした。この曲はクリスティーノならではの力強い奏法を必要とする情景描写曲です。

 sapucai=「サプカイ」とは「大声をあげる」とか「叫び声」という意味で、これは恐怖でキャーと声をあげることではなく、囃すような喚声を意味します。パラグアイでは昔、森の中から甲高い叫び声が聞かれることがありました。大木を切り倒すたびにあげる現地の人たちの喚声、これがまさに「サプカイ」です。

 ところでグアラニ語とは、パラグアイの先住民族インディオ・グアラニが使う言葉ですが、このグアラニ語の「サプカイ」という掛け声がアルゼンチンの「コスキン・フェスティバル」のステージでもしばしば聞かれます。歌い手が客席に向かって大声で「サプカイ」と叫ぶと、客席からいっせいに甲高い声があがって会場の盛り上がりは最高潮に達します。



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